アメリカカジノにインディアン経営者が多い理由

アメリカでカジノというとラスベガスが有名ですが、じつはアメリカには全国各地にカジノ場があります。そして、ラスベガス以外のカジノ場へ行ったときに気が付くのが、インディアン経営の施設が多いという事実です。インディアンはアメリカ先住民族のことを指しますが、カジノの経営に彼らが携わっていることがアメリカカジノでは多く見られます。なぜなのでしょうか。

 
アメリカには先住民族に住む場所を提供する保留地がありますが、元々インディアンはヨーロッパなどから来た白人系民族たちに追い出されたり、不慣れなビジネスのために逆境を強いられてきた歴史があります。そして、インディアンである「セミノール族」がビンゴ場を開設しようとして、アメリカ州政府が法律違反だとして禁止しようと法廷闘争までに至った裁判もありました。しかしこの歴史的な裁判は、結果的にセミノール族の勝利に終わり、これを受けて様々な部族がビンゴ場を設置して裁判に勝利していき、最高裁はセミノール部族に賭博場の開設を許可するようになっていったのです。そのため現在では、インディアンが経営するカジノが多いというわけです。

 
そして現在のアメリカカジノは、インディアンたちの収入源の大きなウエイトを占めており、ここは警察であってもなかなか介入できないビジネス領域となっています。今ではカジノ場付近に、ホテルやレストラン、映画館やゴルフコースなど多彩な施設が立ち並ぶ景色が広がっています。日本でもカジノ賭博が解禁される法律が通り、これからどの事業者がカジノを含む統合型リゾート(IR)施設の運営を行う担い手になるのかが注目されていますが、こうしたアメリカのような事例もあるということです。
 

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